頭痛の原因は頭ではないかもしれない
現代の医療では、頭痛のタイプからある程度は身体のなかで何が起きているのかを判断することはできます。頭痛の中でももっとも酷いもののひとつ、「偏頭痛」もそのパターンはわかっていて、頭の「痛み方」を聞けば素人でも「偏頭痛だ」とある程度は類推することができるほどです。
ただ、「痛み」というものはさまざまな症状、さまざまな状態に対するバロメーターでもあるもので、実は原因は別のところにあって、末端症状として「頭痛」が発生しているかもしれません。頭痛の原因が「頭の内部」にない場合のもっとも顕著なものとして、「飲酒時」の頭痛が挙げられるでしょう。飲酒によって引き起こされた頭痛は、「飲酒の結果」発生したものです。体内にアルコールを摂取したことにより、引き起こされたものなのです。それはただの「頭痛」のように見えて、「外部要因」が絡んだものです。「お酒を飲み過ぎると頭が痛くなる」ということは、私たちが日常的にアルコールを摂取する機会が多いため、「経験則」としてもわかっていることです。ただそこにあるのは「なぜアルコールで頭痛が引き起こされるのか」ということではなく、飲酒する際の「頭痛がする、飲み過ぎた。そろそろ控えよう」というバロメーターとしての関心です。酔いが翌日にも残る「二日酔い」という症状もまた頭痛を伴います。そこで私たちは「お酒の量」と「頭痛」を比べて「自分に適したお酒の量」を考えたりするのです。繰り返しますが、それは私たちの生活の中に「飲酒」が深く根ざしているからであり、身体の異変を伴わない限り飲酒は社会的にも「必要」とされていることであるからだともいえます。
ただ、私たちの体内に侵入してくる可能性がある「薬物」は、アルコールだけではありません。アルコールはそのほとんどが「自分で飲む」というものですが、それ以外にも、私たちの身体は薬物の侵入を許してしまうことがあります。そして、それを甘んじて受けていれている場合もあります。例えば市販されている野菜などに付着した農薬、そして食品添加物なども薬品です。人体に害はないとされているため販売されているのであって、決して自然のものではありません。それらが頭痛を引き起こすようなことがあるとすると、それらの使用、そして販売は差し止められるというものですが、そのような事態が発生することはなかなか少ないものです。それらも自然の外の薬品であることに変わりはないのです。
それらの「薬品」の反応としての頭痛は、「その薬品を摂取した」という自覚、そしてそれらを摂取すると頭痛が起こるという「理解」がないと自分では判断することがなかなか難しいものです。自分で自分が「その薬品を摂取した」と自覚できるときは、それを「自分の意志で飲んだ」場合だけです。アルコールは明らかに自分の意志で飲んでいます。だから「そろそろ頭が痛くなるかもしれない」ということが自分でわかるのです。そうではない場合、自覚しないままその薬品が体内に入って引き起こされた頭痛は、自分にとっては「原因不明」なのです。自分の身体が何か変調をきたしていることはわかるものの、それが「外部要因」であるということに、自分で気がつけないのです。