酷いときは病院へ

頭痛にはさまざまな原因があります。民間療法、市販の医薬品を服用することで治ることも多いのですが、あまりにも頻発したり、痛みがひどかったりするときはべつ原因を疑うべきでしょう。

それはなにか重大な疾患の症状として頭痛が発生しているということです。頭痛自体が問題なのではなく、頭痛を引き起こす何かが身体の中で起きているということです。大切なのはその判断です。「これはただの頭痛だ」という判断と、「これはおかしい。明らかに別の原因がある」という判断のことです。ただ、「痛みの種類」からこれを判断するのは実に難しいものです。偏頭痛などは吐き気や嘔吐を引き起こす頭痛ですし、「頭痛」という範囲を飛び越えて身体的な症状までも引き起こすものです。そのようなタイプの頭痛がある一方で、疾患の症状としての頭痛であるのに痛みは軽微であることもあります。それらの頭痛に対しては、私たちは自分で判断を下すことができないのです。痛みの規模も当てにならず、「なんでもない」と思っていたら実は重大な疾患であったとういうことも多々あるのです。

一番危険なのは「自分の身体は自分でわかる」という「思い込み」です。そのように思い込んでしまうことで、その頭痛、その疾患に対してクリティカルな対策をとれないまま、症状が悪化していくということが一番恐れるべき事態です。市販されている「頭痛薬」は痛み止めです。なまじ痛みが止まってしまうから、その状態で「問題は解消された」と自分で思い込んでしまうのです。本当は影の部分、自分では感じられない部分に問題があって、頭痛はそのシグナルのひとつであったのに、その場の不快感、その場で取り組まなければいけない仕事、用事などのためにとりあえず薬を服用して頭痛をごまかしてしまうということがあるのです。そのような時に起こるのはシグナルとしての頭痛がまったく無視され、根幹の症状が悪化するという事態です。このようなことが続けば、やがてとりかえしのつかない状態にまで症状がすすんでしまい、頭痛薬で痛みを止めるなどという次元では対処できない状態にまで進行してしまうことでしょう。

自分の身体のことを一番よくわかるのは自分ですが、「大丈夫だろう」と症状を侮ってしまうのも自分です。重大な疾患などを経験することができる人はごく一部ですし、それらに対して「経験則」とで自分を診断できる人などはいないのです。誰もが「はじめて」その症状を経験するものです。自分の命に関わるような疾患は突然降ってくるものです。「気が付かなかった」ということは、その状態になってはじめて、そして誰もが覚える「驚き」なのです。

頭痛をシグナルにして何かを判断しようとするのは限界があります。素人では分からない疾患がたくさんあるのです。素人では判断できない状態がたくさんあるのです。それらに対して、頭痛のひとつひとつに対して、予防方法、早期発見方法を覚えていくのは困難です。大切なことは定期的に健康診断を受けることです。定期的な診断を受けることで自分の身体のチェックを行い、異常がないかどうかを定期的に確かめることが必要です。それは年に一度でもいいのです。自分を過信し過ぎないこと、それが大切です。