子どもの頭痛への対処法

私たちはある程度自分で自分の身体の状態を推測することができます。「体調が悪い」と感じることは多々あるもので、その時に「無理をせず静養しよう」と思うのか、それとも「無理をしてでも責任を果たす」のかは、その状況によるでしょう。

「体調が悪い」と自分でわかるためには、それが「自覚」できる必要があります。私たちの備えた繊細な神経は、身体がその時どのような状態にあるのかをすぐに察知し、さまざまな「感覚」として身体にフィードバックするものです。体調が悪いということは、身体が自分自身に対して発した「シグナル」です。風邪で熱が出た、身体がだるい、頭が痛い、胃が痛いなどの諸症状によって、私たちは自分の身体に異常が発生していることを知るのです。自分の身体に異常が発生していることがわかった場合、私たちはそれらを根治させようと努めることができます。原因がなんであるのかを考え、わからなければ病院に行き、必要な治療、必要な医薬品を得ることができるのです。

ですが、それができない状態であれば、当然異常を自覚したとしても意味がありません。身体に異変が生じていることはわかる、だけどそれでもどうすることもできないという場合もあるものです。そのような状態に陥るのは「自分で自分のことが認識できない」、「出来てもそれを理解することができない」ということです。「子ども」は、まさにそのような状態であるといえるでしょう。自分の状態を自分の言葉で表すことができるのであれば、周囲の大人が対処できるというものですが、その「伝える」ということが出来ない場合、誰もその異変に気がついてあげることができません。

例えば酷い熱を出しているだとか、ひと目で見てわかるほどの外傷を負っている場合であれば、その異変を察知して対処することができます。ですが、それらの「異変」の中でも特に「頭痛」は、目に見えるものではないのです。他社がそれに気がついてあげることができないのです。頭痛は自覚症状として認識するしかなく、それを周囲の人に伝えるためには、それが「頭痛」であると「言葉」で伝える必要があるのです。言葉覚える以前の頭痛は、たとえそうであってもそれを人に伝えることができないということになります。

だからこそ、「子ども」の頭痛は怖いのです。子どもが頭痛で苦しんでいても、それが「頭痛のためである」と理解することができなければ、周囲の大人は対処ができないのです。対処ができないと、もちろん「治す」ことができないのです。これが自分で「頭が痛い」と訴えることができれば、その酷さも推測することができ、迅速な対応を取ることができます。子どもの体調の異変というものは、それをいかに気がつけるかということにかかっています。気がつくことができない状態が一番怖いものです。自分では訴えることができない状態が、一番怖いのです。

小児が罹る疾患もさまざまなものがありますが、頭痛は特に表面化しないものであるため、言葉を覚える前の子どもが罹っても事実上「頭痛が起きている」とはわからないものです。だからこそ幼少期には体調を崩さないように配慮してあげる必要があります。自分で自分の身体の異常を訴えることができない時期が、本当に気にかけるべき最重要期なのです。